国内での指導員資格試験制度はゆる体操の世界全面的オープン化の大前提!!
●健康体操を医療並みに厳格に?!
医療またそこで使われる医薬品等が国の厳格な審査を受ける理由は、それらが国民の生命と健康に直接関わるからであることは、言うまでもありません。では健康体操は???
その答えはまったく野放し、誰がつくって誰が教えても何の制限もない、言葉は悪いですが、完全な垂れ流し状態です。何年か前にアメリカ人の軍隊でトレーニングを指導していたというインストラクターがつくったエクササイズがTVで盛んに放映されましたが、私は一目観て「この体操でどれほど多くの人々がケガをし整形外科を受診することになるだろう?!」と思ったものです。案の定、TVを観て、あるいはDVDを購入してそのエクササイズを行った人々の中で、捻挫、肉離れを起こし整形外科を受診する人々が続出したのです。
これは少々極端な例でしたが、バレエで全身の何ヶ所も傷めて引退した元バレリーナがバレエの動作をマネてつくった体操、膝を傷めて今は踊れない日舞家が日舞の足腰づかいそのままにつくった体操、はては筋トレを専門とする研究者がつくった高齢者が行うと実施者の3割が膝を傷める筋トレ体操などなど……、健康体操という領域で、余りに無節操で思慮の浅い無責任な行為がくり返されています。またそれらを責任ある審査抜きに、ただ新しさだけを求めて最低限の安全性の保証すらなく取り上げ、つまりは健康体操を消費の対象とするだけのマスコミの姿勢も厳しく問われるべき所と、私は考えています。
健康体操が国民の生命と健康に深く関わるものと認識するならば、健康体操の指導をオープン化するにあたっては、クローズドな状態での最短でも3年、望ましくは5年、大規模で影響力の大きい体系である場合には10年以上の、試行的な指導実施とその結果による体操の改善と指導法の修正が必要不可欠です。ゆる体操について、オープン化の大前提として厳格な指導員資格試験制度を制定、12年間にわたるクローズド制での試行実施としたのは、最も基本的には、生命と健康に深く関わる体操を考案し発表する者としての、当然の倫理観からでした。
●ゆる体操指導員資格試験とは
ゆる体操指導員は、営利、ボランティアを問わず、ゆる体操の指導活動を行うことができる資格です。NPO法人日本ゆる協会および運動総研は、定められた手続きにより資格試験を行い、一定の評価を得た者に対し、ゆる体操を指導できる指導員資格を発行しています。
●オープン化以降にゆる体操指導員資格試験を受験する意味
2015年9月21日の、ゆる体操の全面的オープン化以降は、指導員資格を持っていない人でも自分でゆる体操教室を開設したり、大人数を相手に業務としてゆる体操を教えることができるようになります。
それでは、ゆる体操の全面的オープン化以降のゆる体操指導員資格試験、中でも難易度の高い正指導員資格試験を、試験前の養成講座と合わせ受験する意味は、どのようなものになるのでしょうか。以下のようなことが考えられます。
- ・「人類の身体インフラ」であるために必須な7つの条件を満たす体操法の本当の姿と内容を生で観て、克明に知るために。中でも安全性に関する学びは最重要です。
- ・ゆる体操開発元が模範型とするゆる体操の「オリジナルフォーム」を正確に学習し、その学習効果と達成度を測ること。
- ・現在の自分の緩解度を正確に把握し、実力をステップアップするための機会とすること。
- ・他のゆる体操実践者と交流する機会を得ること。
- ・指導員資格を取得することで、行政・教育・研究・医療・福祉等機関、カルチャースクール・スポーツクラブやその受講生・会員等からの、信頼度・信用度を高めること。
さらに詳しくゆる体操指導員資格についてお知りになりたい方は、NPO法人日本ゆる協会サイトのゆる運動指導員規則≫をお読みください。
●東日本大震災復興支援ゆる体操プロジェクト
NPO法人日本ゆる協会では、2011年に起きた東日本大震災の復興支援のため、震災後ただちに東日本大震災復興支援ゆる体操プロジェクトを立ち上げ、多くのゆる体操指導員を被災地に派遣し、支援活動を行いました。
高岡英夫自らも2011年6月28日から7月1日の4日間にかけて、被災地である福島県いわき市、三春町、郡山市、相馬市、南相馬市内の病院・避難所を訪問し、医師・看護士をはじめとした100人以上の医療関係者、そして多くの被災者の方々にゆる体操を指導し、合わせてゆる体操をイラストでわかりやすく描写した手ぬぐいの無料配布を行いました。
また、それから3週間後の7月22日に福島県相馬市で行われた相馬野馬追宵祭(相馬野馬追の前夜祭)では、当代一の若手実力派歌舞伎俳優で、ゆる体操正指導員でもある寺嶋和康(NPO法人日本ゆる協会ゆる体操指導員として活動する場合には、本名の寺嶋和康で活動を行っている)が藤娘を舞うプロジェクトを支援し、被災者の皆さんに大変に深く感動していただきました。
- 被災者の皆さんに一日も早く元気になって欲しいという想いから実現した“東日本大震災復興支援ゆる体操プロジェクト”
- ゆる体操手ぬぐいの活用法を丁寧に指導する
- 非売品とは別に作製した販売用のゆる体操手ぬぐいを各方面に購入していただき、その収益で、非売品を作製し被災者に贈るという支援活動を行い、約16,000枚を東日本大震災復興支援活動として、訪問指導の際に手渡したり、保健所・市役所等を通じて配布した
●ゆる体操動画
- 踵クル
- 足首クロス