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からだには希望がある

2015年9月21日、国連国際平和デー当日より、ゆる体操は、誰でも指導できるようになりました。
※これを「ゆる体操の全面的オープン化」と呼んでいます。

サイトを訪問された皆様へ
私たち人類すべての人々へ向けて

第6話 オープン化に必要な検証のための12年のプロセス

(2015.05.01 公開)

 完成の2年後の2002年に、日本国内の三重県の健康長寿計画に正式採用されたのを皮切りに、日本全国での普及が始まりましたが、私はこの体操法を誰でも指導できるオープン制にせず、私たち開発元の厳格な指導資格を獲得した公認指導員、約800人のみによるクローズド制とすることで、普及に制限をかけたのです。なぜに日本で無制限に広く普及する方針を採用しなかったかといいますと、私は科学者として充分な時間をかけて、この体操法が、私が科学的に企図した「人類の身体インフラ」に必須の条件である安全性・普遍性・平易性・汎用性・習慣性・継続性そして経済性(コストパフォーマンス)などのすべての条件を高度に満たすかどうかを慎重に精査・検証する、10年以上の試行・観察のプロセスが必要不可欠であると考えたからです。

 2002年のスタートから12年の年月と約800人の公認指導員による、推計値で60万回以上の指導回数と延べ参加者1,000万人以上のレッスンを経験・蓄積した結果を受けて、初めてこの体操法が人類全体に普及することを許されるだけの安全性と、人類全体に普及すべき普遍的価値と、人類の誰もが最も容易に習得できる平易性と、人類が多方面で利用できる汎用性と、人類の誰もが日常的に行ってしまう習慣性および生涯を通じて行える継続性と、そして人類全体に普及することが可能であるだけの経済性のいずれをも、すべて高度に所有していることが、強く推測できると結論づけた次第です。

 しかるに、いかに普及の拡大に厳しい制限をかけたとはいえ、以来日本では800人の公認指導員を中心に多くの愛好者が育つとともに、多くの愛好者の皆さんから強い支持をいただいて参りました。私も、そのような皆さんの強い支持をいただく中で、また、皆さんがゆる体操の経験を通して、身体という存在の偉大さ・奥深さ・豊かさを知り、そうした身体の本当の魅力を知るが故に、身体という存在を愛し、身体に由来する深く豊かな幸福感に支えられて、心身改善を人生を貫く優れた習慣として快適かつ強力に遂行する姿を日々目にするなかで、ゆる体操を実施する皆さんとともに、この地球と人間に対する愛情を深め、地球と人類に貢献できる可能性を持った体操法を指導し、広めることに、大きな喜びを感じてまいりました。

 このたび、日本の人々だけでなく、本サイトや拙著を通じ、この体操法を世界の皆様にお届けできるようになったのも、じつに数多くの日本の愛好者・指導者・医師・研究者・行政関係者そして各種団体関係者の方々からの甚大なるご理解、ご支持、ご協力を頂くことができた賜物であると、心より感謝申し上げております。

「人類の身体インフラ」としての体操に必須条件となるファクター

 高岡英夫は運動科学の見地から人類の身体インフラとしての体操には、以下7つの条件が必須になると考えています。

  • ①安全性
  • ②普遍性
  • ③平易性
  • ④汎用性
  • ⑤習慣性
  • ⑥継続性
  • ⑦経済性(コストパフォーマンスの高さ)

 10年以上に及ぶ試行・観察の結果、ゆる体操は上記すべての条件を高度に満たしていることが強く推測できる、と高岡英夫は結論づけました。

  • 6つの条件

国内での指導員資格試験制度はゆる体操の世界全面的オープン化の大前提!!

●健康体操を医療並みに厳格に?!

 医療またそこで使われる医薬品等が国の厳格な審査を受ける理由は、それらが国民の生命と健康に直接関わるからであることは、言うまでもありません。では健康体操は???

 その答えはまったく野放し、誰がつくって誰が教えても何の制限もない、言葉は悪いですが、完全な垂れ流し状態です。何年か前にアメリカ人の軍隊でトレーニングを指導していたというインストラクターがつくったエクササイズがTVで盛んに放映されましたが、私は一目観て「この体操でどれほど多くの人々がケガをし整形外科を受診することになるだろう?!」と思ったものです。案の定、TVを観て、あるいはDVDを購入してそのエクササイズを行った人々の中で、捻挫、肉離れを起こし整形外科を受診する人々が続出したのです。

 これは少々極端な例でしたが、バレエで全身の何ヶ所も傷めて引退した元バレリーナがバレエの動作をマネてつくった体操、膝を傷めて今は踊れない日舞家が日舞の足腰づかいそのままにつくった体操、はては筋トレを専門とする研究者がつくった高齢者が行うと実施者の3割が膝を傷める筋トレ体操などなど……、健康体操という領域で、余りに無節操で思慮の浅い無責任な行為がくり返されています。またそれらを責任ある審査抜きに、ただ新しさだけを求めて最低限の安全性の保証すらなく取り上げ、つまりは健康体操を消費の対象とするだけのマスコミの姿勢も厳しく問われるべき所と、私は考えています。

 健康体操が国民の生命と健康に深く関わるものと認識するならば、健康体操の指導をオープン化するにあたっては、クローズドな状態での最短でも3年、望ましくは5年、大規模で影響力の大きい体系である場合には10年以上の、試行的な指導実施とその結果による体操の改善と指導法の修正が必要不可欠です。ゆる体操について、オープン化の大前提として厳格な指導員資格試験制度を制定、12年間にわたるクローズド制での試行実施としたのは、最も基本的には、生命と健康に深く関わる体操を考案し発表する者としての、当然の倫理観からでした。

●ゆる体操指導員資格試験とは

 ゆる体操指導員は、営利、ボランティアを問わず、ゆる体操の指導活動を行うことができる資格です。NPO法人日本ゆる協会および運動総研は、定められた手続きにより資格試験を行い、一定の評価を得た者に対し、ゆる体操を指導できる指導員資格を発行しています。

  • 【表1 指導許諾範囲と試験範囲】
  • ゆる体操指導員資格試験
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  • 【表2 試験内容】
  • ゆる体操指導員資格試験
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  • 【表3 指導の形態・規定事項・指導員の義務】
  • ゆる体操指導員資格試験
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  • 【表4 ゆる体操準指導員パーツ体操一覧表】
  • ゆる体操指導員資格試験
  • クリックすると拡大してご覧になれます。

●オープン化以降にゆる体操指導員資格試験を受験する意味

 2015年9月21日の、ゆる体操の全面的オープン化以降は、指導員資格を持っていない人でも自分でゆる体操教室を開設したり、大人数を相手に業務としてゆる体操を教えることができるようになります。

 それでは、ゆる体操の全面的オープン化以降のゆる体操指導員資格試験、中でも難易度の高い正指導員資格試験を、試験前の養成講座と合わせ受験する意味は、どのようなものになるのでしょうか。以下のようなことが考えられます。

  • ・「人類の身体インフラ」であるために必須な7つの条件を満たす体操法の本当の姿と内容を生で観て、克明に知るために。中でも安全性に関する学びは最重要です。
  • ・ゆる体操開発元が模範型とするゆる体操の「オリジナルフォーム」を正確に学習し、その学習効果と達成度を測ること。
  • ・現在の自分の緩解度を正確に把握し、実力をステップアップするための機会とすること。
  • ・他のゆる体操実践者と交流する機会を得ること。
  • ・指導員資格を取得することで、行政・教育・研究・医療・福祉等機関、カルチャースクール・スポーツクラブやその受講生・会員等からの、信頼度・信用度を高めること。

 さらに詳しくゆる体操指導員資格についてお知りになりたい方は、NPO法人日本ゆる協会サイトのゆる運動指導員規則≫をお読みください。

●東日本大震災復興支援ゆる体操プロジェクト

 NPO法人日本ゆる協会では、2011年に起きた東日本大震災の復興支援のため、震災後ただちに東日本大震災復興支援ゆる体操プロジェクトを立ち上げ、多くのゆる体操指導員を被災地に派遣し、支援活動を行いました。

 高岡英夫自らも2011年6月28日から7月1日の4日間にかけて、被災地である福島県いわき市、三春町、郡山市、相馬市、南相馬市内の病院・避難所を訪問し、医師・看護士をはじめとした100人以上の医療関係者、そして多くの被災者の方々にゆる体操を指導し、合わせてゆる体操をイラストでわかりやすく描写した手ぬぐいの無料配布を行いました。

 また、それから3週間後の7月22日に福島県相馬市で行われた相馬野馬追宵祭(相馬野馬追の前夜祭)では、当代一の若手実力派歌舞伎俳優で、ゆる体操正指導員でもある寺嶋和康(NPO法人日本ゆる協会ゆる体操指導員として活動する場合には、本名の寺嶋和康で活動を行っている)が藤娘を舞うプロジェクトを支援し、被災者の皆さんに大変に深く感動していただきました。

  • 被災者の皆さんに一日も早く元気になって欲しいという想いから実現した“東日本大震災復興支援ゆる体操プロジェクト”
  • 震災支援プロジェクト
  •  
  • 震災支援プロジェクト
  • ゆる体操手ぬぐいの活用法を丁寧に指導する
  • 震災支援プロジェクト
  • 被災者の皆さんに無償配布したゆる体操手ぬぐい(非売品)
  • 震災支援プロジェクト
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  • 非売品とは別に作製した販売用のゆる体操手ぬぐいを各方面に購入していただき、その収益で、非売品を作製し被災者に贈るという支援活動を行い、約16,000枚を東日本大震災復興支援活動として、訪問指導の際に手渡したり、保健所・市役所等を通じて配布した
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  • 2011年の復興支援活動一覧(抜粋)

●ゆる体操動画

 

  • 踵クル
  • 足首クロス